【スタッフコラム】盛夏に備えて、毎年恒例の梅しごと〔ブレジュレシピ監修者 内藤則子氏より〕

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こんにちは。
料理研究家の内藤則子です。

先日アップした初夏のフランス食探訪の記事。 たくさんの方にご覧いただけたようで、嬉しく思っています。

さて、長かった梅雨も各地で終わりを告げていますね。ジメジメとして疎まれがちな季節ですが、 雨に映える紫陽花はこの時期限定で楽しめる大好きな花。 今年も堪能できました。


ここ数年、厳しい暑さが続いている日本の夏。
私は毎年自家製梅シロップを仕込み、冷やした炭酸で割ったものを飲んで猛暑を乗り切りきっています。

今日は、そんな毎年恒例の梅しごとについてご紹介したいと思います。

夏の風物詩、梅シロップ作り


夏に備え、6月の梅が出回る頃に仕込む梅シロップ(梅ジュース)。 この時期は、青いものからやや黄色~薄紅色に色付いたものまで、 スーパーなどにも沢山の梅が並んでいますね。

昨年は隣家の方が山荘から採っていらした小梅を使用したのですが、今年は紀州産南高梅と小田原産南高梅を購入しました。


私の梅シロップ作りのポイントは3つ。

1.梅を一晩冷凍する


冷凍することで梅の細胞が壊れて果汁が出やすくなり、常温の梅よりも早くシロップができます。 また梅が出回る時期に冷凍し、時期を延ばして仕込むこともできます。

ただし、家庭の冷凍庫で長期冷凍保存すると梅の香りや風味が落ちることもあるので、 私は下処理*した梅を一晩冷凍したものを使用しています。

*下処理…梅を洗って竹串で梅のヘタを取り除き、ザルにとって乾いてからビニール袋へ。

2.りんご酢を加える


梅と氷砂糖に対して1割の分量で加えるりんご酢。 爽やかな酸味がアップし、よりフルーティーにしてくれます。 さらに殺菌効果もあるので、梅シロップづくりでよくあるカビの発生や発酵を防止する効果も期待できます。

3.氷砂糖を使う


純度の高い氷砂糖を使うことで梅の風味が引き立つすっきりとした仕上がりになるほか、層に重ねた梅に留まり、じっくりと溶けてくれます。


24時間で梅の果汁がこんなに出ました!

ちなみに冷凍した梅を瓶に詰めて冷暗所に保存する際、 梅が溶けて水滴で瓶下が濡れますので、ビニールを敷いて保存すると良いと思います。

残った梅の再利用方法


シロップを作った後の梅は、チャツネとして使っています。

「チャツネ」とは、インドや東西アジアの国で使われている野菜や果物を香辛料で煮込んでペースト状にした調味料。スーパーのエスニック食材売り場や、輸入食材の店でも売られています。

カレーやハンバーグソース、煮込み料理に入れると コクと深味が増し、甘味もついて格段に美味しくなる万能調味料です。

私は普段はマンゴーチャツネを使用していますが、梅シロップを作った時には残った梅を再度冷凍し、種を除いて細かく刻んだり、半解凍しておろし金ですりおろしたりして活用しています。

カレーを作るときには欠かせないチャツネ。使ったことがないという方は、ぜひ一度お試しください。

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年に一度、この季節だけの自然の恵みに感謝。いよいよ訪れる本格的な夏に備えて、準備完了です!